特集 セルフケアを支援する
適正なセルフメディケーションのために―OTC薬と関係者の役割
望月 眞弓
1
1慶應義塾大学薬学部薬学科医薬品情報学
pp.96-100
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102332
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はじめに
セルフメディケーションの定義は団体によって少しずつ異なり,WHO(世界保健機関)では「セルフメディケーションとは自分自身の健康に責任を持ち,軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義している.一方,国際薬学連合&世界セルフメディケーション協会(FIP & WSMI)(1999)は,「セルフメディケーションとは,自分の意志で非処方せん薬を使用することである.薬剤師はセルフメディケーションに利用可能な医薬品について,支援,アドバイスおよび情報を人々に提供するのに,重要な役割を担っている」とし,日本薬剤師会(2003)は,「セルフメディケーションとは,自己の健康管理のため,医薬品等を自分の意志で使用することである.薬剤師は生活者に対し,医薬品等について情報を提供し,アドバイスする役割を担う」としている.いずれの団体も「自分の健康管理のために自身で手当てすること」を一様に挙げている.セルフメディケーションでは自分の健康管理ということが第一であることから,健康3原則(食事,運動,睡眠)を守ることが基本であるが,それでも残る不調は一般用医薬品(Over The Counter,以下OTC薬)などを使って自身で手当てすることになる.
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