特集 狂犬病・デング熱・マラリア・コクシジオイデス症―海外で罹る危険性のある感染症
海外で罹る危険性のある感染症update
7.コクシジオイデス症
宮治 誠
1
1千葉大学
pp.578-581
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101103
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コクシジオイデス症(coccidioidomycosis)は,カリフォルニア,アリゾナ,テキサス州等の米国西南部地域,メキシコ,アルゼンチンのパンパ,ベネズエラのコロの限局された半乾燥地帯に発症する風土病である.
原因菌はコクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)で,強風や土木工事などで土埃と共に舞い上がった本菌の分節型分生子(arthroconidium)を吸入することにより,肺に初発病巣を起こす.通常カゼに似た症状を呈した後,自然治癒するが,患者の約0.5%が全身感染へと移行し,その内約半数が死に至る.
特に皮膚病巣に特徴があり,結節や潰瘍を繰り返し,キャベツ状の腫瘤を呈する.この症状により,コクシジオイデス肉芽腫とも呼ばれている.なお,コクシジオイデス症は平成11年に施行された「感染症法」の中で「四類感染症」に指定されている(さらに現在改訂中).
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