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近年,我が国の医療・介護を取り巻く環境は大きく変化しており,診療報酬改定や制度改革の動向に加え,社会情勢の不確実性も増しています.そのなかで,言語聴覚士には従来の枠を超えた新たな役割が求められるようになっています.このような時代においてこそ,言語聴覚療法の専門性を支えるサイエンスを着実に高めることに加え,社会の変化のなかで拡がり続ける言語聴覚士の役割や活動を,科学的に記述し,体系化していくことが重要です.臨床実践の質を担保し,その価値を社会に示していくためにも,学術的基盤の強化は不可欠です.
本号より編集委員長を拝命いたしました.本誌の発刊を構想し,その実現に尽力されるとともに,その後の発展を長きにわたり牽引してこられた藤田郁代先生に,心より敬意と感謝を申し上げます.本誌は,言語聴覚療法の学術的基盤の確立と臨床への還元を担う学術誌として創刊されました.言語・コミュニケーション・嚥下という人間の根幹に関わる機能を対象とし,その障害の発生機序の解明から評価・介入法の確立に至るまでを科学的に探究するとともに,得られた知見を臨床および生活の質の向上へと還元することが,その重要な役割とされてきました.こうした理念「言語聴覚療法の学術的基盤の確立と臨床への還元を両輪とする姿勢」は,本誌の礎であり,今後も大切に継承していく所存です.加えて,時代の潮流を踏まえ,本誌のあり方そのものについても検討を進め,アクセスの拡大と発信の効率化を図りながら,さらなる発展を目指してまいります.また,掲載論文の質の確保は最も重要な課題の一つです.そのため,査読体制の充実に努めるとともに,研究方法や論文執筆に関するセミナーの開催などを通じて,研究の質の底上げと次世代育成にも取り組んでいくことを検討しております.

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