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編集後記
野添 匡史
pp.1270
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590101270
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連日の猛暑が続いた今年の夏でしたが,皆様が本号をお手にとられる頃には,ようやく秋の気配が感じられることを願っております.もっとも,以前自分が執筆した第59巻第6号の編集後記を見返してみると,そこでも「暑さ」に触れていました.どうやら季節や天候の話題に頼るあたり,われながら歳を重ねた証かもしれません.
さて,本号の特集は「大脳基底核—分子機構からパーキンソン病の理学療法まで」です.タイトルだけを見ると基礎医学の色合いが強いように思われるかもしれませんが,実際は最先端の基礎医学にとどまらず,臨床に直結する幅広い内容が盛り込まれています.特に症例を通して示された臨床推論や思考のプロセスは,パーキンソン病をはじめとする大脳基底核関連疾患に対する理学療法の進展を実感させるものでした.また,Close-upでは超高齢社会において重要性が増す「せん妄」を取り上げています.せん妄は一過性の現象ではなく,長期的かつ多面的に影響を及ぼすため,運動機能を主に扱う理学療法士にとっても看過できないテーマです.ぜひ多くの読者にご一読いただきたい内容です.

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