今月の臨床 深掘り!ガイドライン婦人科外来編—併せて知りたい関連ガイドライン
女性医学
更年期障害の治療—『ホルモン補充療法ガイドライン』とともに読み解く
篠原 康一
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1愛知医科大学産婦人科学講座
キーワード:
子宮内膜症
,
HRT
,
GSM
,
生命予後
Keyword:
子宮内膜症
,
HRT
,
GSM
,
生命予後
pp.776-781
発行日 2026年9月10日
Published Date 2026/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698650800090776
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POINT
●子宮全摘出術・両側卵巣摘出術後であっても,残存している異所性子宮内膜組織の悪性転化や過形成のリスクを減らすために,HRTを必要とする患者には,エストロゲン・プロゲストーゲンの持続的併用投与が望ましい.ESHREの子宮内膜症ガイドラインでも,強い推奨で「エストロゲン単独のHRTは避けるべき」という記載がある.EMAS position statementでは,子宮の有無にかかわらず低用量のEPTを勧めている.一方,プロゲステロンが周閉経期女性の子宮内膜症の悪性転化や病変再発率を明らかに減少させるという報告もなく,ETとEPTで子宮内膜症病変の再発に差がなかったという報告もある.
●子宮筋腫に関しての報告では,筋腫サイズや個数,投与されている製剤の種類と投与量などはすべて不揃いであり,研究デザインを構築するのが難しいが,増大に注意しつつHRTは可能であるとされている.
●GSM治療では,非ホルモン療法として潤滑剤および保湿剤が用いられる.HRTでは局所エストロゲン療法が有効である.乳がんなどのエストロゲン依存性疾患の既往女性のGSMに対してHRTを行う場合は,原疾患の担当医と相談して治療にあたることが望ましい.
●HRTとQOL・生命予後に関しては,HRTは種々の更年期症状の改善に有効であるが,睡眠の質を高めることで易疲労感を改善する可能性が示唆されている.HRTと生命予後との関連については,閉経後10年以内または60歳未満で開始した場合,冠動脈疾患および全死亡率が減少し,大腸がんリスクも低下,乳がんリスクも上昇しない.HRTは適切な対象に施行すれば全死亡率を低下させうる.

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