今月の臨床 —これ一冊でわかる—婦人科がん治療中の支持療法
扉
馬淵 誠士
1
1兵庫医科大学産科婦人科学講座
pp.975
発行日 2025年11月10日
Published Date 2025/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698650790110975
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近年,がん治療は入院から外来中心へと大きく変化しています.患者さんは,がんの治療を受けながらも,仕事や家事,育児などの日常生活を継続することが求められるようになり,「治療と生活の両立」が重要なテーマとなっています.このような背景のなかで,がん治療を支える「がん支持療法」の役割がこれまで以上に注目されるようになりました.
がん支持療法とは,がんそのものを直接的に治療するのではなく,治療に伴って生じるさまざまな副作用や症状—たとえば,痛み,吐き気,倦怠感,食欲不振,不安,抑うつなど—を緩和・予防することで,患者さんがより良い状態で治療を継続できるように支援する医療です.支持療法は,身体的な症状への対応だけでなく,精神的,心理的,社会的な側面に対する包括的なケアも含まれており,患者さんの生活の質(QOL)を高めるうえで欠かせない存在となっています.

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