研究
急性期病院に入院する患者の人生会議の実施状況と関連因子
上薗 惠子
1
,
山口 直美
2
,
大村 栄
3
,
稲垣 聡
4
1国立病院機構敦賀医療センター 看護部
2国立病院機構神戸医療センター 事務部企画課
3国立病院機構神戸医療センター 看護部
4元神戸市看護大学 基礎看護学分野
キーワード:
Advance Care Planning
,
ACP
,
人生会議
,
高齢者医療
,
意思決定
Keyword:
Advance Care Planning
,
ACP
,
人生会議
,
高齢者医療
,
意思決定
pp.946-951
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523770840120946
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要旨
2024年度診療報酬改定で,Advance Care Planning(ACP)の推進方針が示された.本研究では,高齢化率31.8%の地域にある急性期病院に入院した患者412人を対象に,ACPの実施状況を調査した.「人生の最終段階について家族と話し合った経験」または「書面に記録した経験」をACP行動と定義したところ,124人(30.1%)が該当した.本割合は一般国民調査(29.9%)と一致し,入院がACPの契機となっていない実態が示唆された.カイ二乗検定の結果,ACP行動と有意な関連が認められた因子は年代のみであり(p<0.001),がん病名の有無,家族構成(独居・非独居),および介護認定状況との関連は認められなかった.入院というライフイベントを契機としてもACPの実施率が十分に向上していない現状を踏まえると,入院前支援の段階でのACP推進策の強化が求められる.

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