書評
病態・類似疾患別心エコー図検査のルーティン[Web動画付]
岩永 史郎
1
1埼玉医大国際医療センター・心臓内科
pp.435
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110540040435
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心エコー図検査の修練は正しい断面像の描出から始まる
長く心エコー図検査に携わり,1997年から心エコー検査室の責任者として医師や検査技師を指導してきた私が最も強調してきたことは,「正しい断面像」を描出することである.私のいう「正しい断面像」は,画像がくっきりきれいに描出されているだけの像ではない.「正しい断面像」は再現性の高い正確な計測が可能な像である.論文や教科書にはchampion dataといわれる著者が最も良いと考えた画像が掲載されているはずである.しかし,出版されている論文や教科書に掲載された画像は,私の考える「正しい断面像」ではないことが少なくない.計測に適さない画像で得られた研究結果は,結論の信憑性が疑われることになる.
書籍『病態・類似疾患別心エコー図検査のルーティン』は,小谷敦志先生と,小谷先生が主導するOSAKA心エコー研究会の先生方が記述されたものであるが,拝見してまず感心したのは掲載されている全ての心エコー画像が私の考える「正しい断面像」といえることである.小谷先生が私と同様に計測の正確さを重要視していることを示しており,本書の計測値の信憑性は保証できる.加えて,計測する断面,計測した時相,基準値も記載されていて,初心者が心エコー図検査を学ぶために非常に役に立つものとなっている.

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