Clinical Engineering 36巻5号 (2025年4月発行)

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特集　人工心肺と補助循環のピットフォール

人工心肺と補助循環のピットフォール百瀬　直樹 , 安野　誠 36巻5号 , 2025年4月 , pp.380-381

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Ⅰ　人工心肺のピットフォール　空気誤送百瀬　直樹 36巻5号 , 2025年4月 , pp.383-388

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脳や主要臓器に血液を送る人工心肺での空気誤送は重大な医療事故となる．空気誤送ルートや原因はさまざまで，空気誤送のピットフォールに陥る危険がある．空気誤送のメカニズムを知り，対策を確実に用意しておかなければならない．

Ⅰ　人工心肺のピットフォール　装置の停止（停電，故障など）百瀬　直樹 36巻5号 , 2025年4月 , pp.389-392

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人工心肺装置は究極的な生命維持管理装置であり，その機能停止は重大なトラブルとなる．停電や故障のピットフォールは確実に存在し，送血ポンプはもちろん，関連機器の動作が止まれば体外循環に支障が出る．ピットフォールを理解し，対応策を準備しておくことが求められる．

Ⅰ　人工心肺のピットフォール　ガス交換能と温度（人工肺，ガス供給，温度管理など）後藤　武 36巻5号 , 2025年4月 , pp.393-396

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人工肺の接続間違いなど，すべての物理的に接続が可能なデバイスで構成される以上，誤った接続が絶対に起こらないとは言い切れない．ガスブレンダのピットフォールでは1つのリスクの周りに潜む，複数のピットフォールを埋め得る対策を共有する．冷温水槽のピットフォールでは，装置の構造の理解がピットフォール対策の基本であることに気付かされる．

Ⅰ　人工心肺のピットフォール　回路の異常（内圧，体外循環回路，吸引回路，ベント回路）後藤　武 36巻5号 , 2025年4月 , pp.397-402

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本稿では，数多くある人工心肺のモニタの数値自体に誤りや異常がないかを疑う能力を養うことが，装置のみならず患者を総合的に管理するなかで重要な意義をもつことを紹介する．ローラポンプのピットフォールは定期的に報告が散見される．チューブのかけ方などの基本や各構成の理解をこの機会に再確認したい．

Ⅰ　人工心肺のピットフォール　送血・脱血の不良開　正宏 36巻5号 , 2025年4月 , pp.403-406

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開心術において，人工心肺の送血・脱血が安定していることは必要不可欠である．「送血・脱血の不良」は，安全な手術を行うことができなくなるおそれがあり，ピットフォールに対応できる能力は体外循環担当者として必須である．

Ⅰ　人工心肺のピットフォール　人工心肺回路内での凝血開　正宏 36巻5号 , 2025年4月 , pp.407-412

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人工心肺回路内での凝血は人工心肺の継続を困難とし，それは致命的となり悲惨な有害事象を招くことになる．抗凝固療法マネジメントは体外循環施行時の基本であるが，凝血してしまったときの正しい対応力が最も大切である．

Ⅰ　人工心肺のピットフォール　心筋保護（組成，注入方法，量，注入圧，温度，空気など）吉田　幸太郎 36巻5号 , 2025年4月 , pp.413-419

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心臓手術を安全に実施するうえで，適切に心停止を得ることは必要不可欠である．そのため，心筋保護液が冠動脈へ適切に注入できていることを評価することが肝要である．また，手術内容や患者の状態，心停止時間に応じて，心筋保護の手法を選択することが必要である．本稿では，心筋保護の基礎的な概念から注入における管理，安全性について提示する．

Ⅰ　人工心肺のピットフォール　情報管理と教育（患者情報，術式，操作記録，点検，教育など）吉田　幸太郎 36巻5号 , 2025年4月 , pp.420-426

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人工心肺は患者の生命を支える重要な生命維持管理装置である．人工心肺を用いた手術を安全かつ効果的に運用するには，事前の情報収集から手術計画，術中の生体情報や機器の動作状況を集約し，その情報を人工心肺操作に反映させることが肝要である．本稿では，人工心肺における術前の情報管理と手術計画，人工心肺の操作について述べ，医療の質と安全性向上への貢献を目指すものとする．

Ⅱ　ECMO/PCPSのピットフォール　空気誤送（脱血回路からの引き込み，空気の残留）安野　誠 36巻5号 , 2025年4月 , pp.427-432

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体外式膜型人工肺（ECMO）は閉鎖回路を利用するが，大気と交通する箇所が存在する．そのため，回路内で発生する圧力，特に脱血回路には強い陰圧が発生することを理解しておくことが重要である．また，閉鎖回路内に混入した空気を除くことは困難であるため，事前のチェックとトレーニングを実施することが肝要である．

Ⅱ　ECMO/PCPSのピットフォール　ガス交換能（人工肺，ガス供給，人工肺の凝血）東條　圭一 , 木下　春奈 36巻5号 , 2025年4月 , pp.433-438

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使用期間に限界のある人工肺において，長期使用によるガス交換能の低下は避けることのできないトラブルである．人工肺の劣化を正しく評価するとともに血栓の形成や血漿リークの発生などにも注意し，必要に応じて交換する必要がある．

Ⅱ　ECMO/PCPSのピットフォール　流量低下，送血・脱血不良（カニューレ，凝血，空気引き込み）東條　圭一 , 木下　春奈 36巻5号 , 2025年4月 , pp.439-445

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ECMO/PCPS施行中の流量低下は，患者の生命に直結する重大な状態となる．このため，早急に対応する必要があり，空気の混入や気泡の発生，バイブレーションの発生や血栓の形成などを日常的に観察することが重要となる．また，遠心ポンプの色調や振動などにも注意して，早期に異常を発見することも重要となる．

Ⅱ　ECMO/PCPSのピットフォール　装置異常，停止，設定ミス鈴木　健一 36巻5号 , 2025年4月 , pp.446-450

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体外式膜型人工肺（ECMO）関連のトラブルは生命に直結する．トラブルの原因として，ECMO装置の故障，病院設備の問題，コミュニケーションエラー，アラート設定ミスなどのヒューマンエラーなど，さまざまな要因が考えられるが，それぞれの対応が異なるので他職種で日ごろから検討しておくことが重要である．

Ⅱ　ECMO/PCPSのピットフォール　連携その他鈴木　健一 36巻5号 , 2025年4月 , pp.451-454

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補助循環管理はチーム医療であり，それぞれの職種の役割を理解することが必要である．また，緊急時を含む導入時や安定した管理を安全に行うには日ごろから情報共有などのコミュニケーションやトラブルシューティングを他職種で行うことが重要である．

Ⅲ　VAD/IMPELLAのピットフォール　VAD装着患者を管理するうえでのピットフォール柏　公一 36巻5号 , 2025年4月 , pp.455-460

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植込み型補助人工心臓装着患者を管理するうえでは，教育を行う際のピットフォールやケアギバーの心理的な負担，各デバイスで表示される波形や値の見方や考え方，不具合を発見したときの対処法について理解しておくことが重要である．

Ⅲ　VAD/IMPELLAのピットフォール　IMPELLA装着患者を管理するうえでのピットフォール柏　公一 36巻5号 , 2025年4月 , pp.461-465

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IMPELLA装着患者を管理するうえでは，ポンプカテーテルの留置位置や血液凝固関連のデータの推移に注意を払うことが重要である．また，溶血の原因や溶血が顕在化してきたときの対処法について理解しておくことが求められる．

Ⅲ　VAD/IMPELLAのピットフォール　IABP装着患者を管理するうえでのピットフォール柏　公一 36巻5号 , 2025年4月 , pp.466-469

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IABP装着患者を管理するうえでは，バルーンの拡張と収縮のタイミングや下肢虚血に注意を払うだけでなく，挿入時やカテーテル管理上のピットフォールについても理解しておく必要がある．また，別の機械的循環補助（MCS）デバイスにアップグレードする目的で他院へ搬送するケースもあることを念頭に置いて管理する必要がある．

ＣＥ図鑑

動物の透析に携わるCE 渡部　恭兵 36巻5号 , 2025年4月 , pp.378-378

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動物の透析との出会い

数年前の学会で動物の透析について知る機会があり，我々臨床工学技士も何か携われることがないか考えるようになった．

救急医療におけるCEの心得中原　三佐誉 36巻5号 , 2025年4月 , pp.379-379

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プレホスピタルへのCEのかかわり

県域が南北600 kmに及び，20を超える有人離島がある鹿児島県の特異な地形は，救急医療には不利といえる．

連載　エコー下穿刺おたすけTips

第1回　短軸走査によるエコー下穿刺の基本とコツ村上　淳 36巻5号 , 2025年4月 , pp.470-477

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エコー下穿刺のスキルを身に付けることで，多くの穿刺困難患者と対応するスタッフの救世主となれる．決して大げさでなく，絶対に失敗しないテレビドラマ『ドクターX～外科医・大門未知子』への道ができる．本稿では短軸走査によるエコー下穿刺の基本を学ぶとともに，筆者の経験を基にした，一般的にはあまり知られていないコツを紹介する．

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目次 36巻5号 , 2025年4月 , pp.376-377

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お知らせ 36巻5号 , 2025年4月 , pp.478-480

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編集協力者 36巻5号 , 2025年4月 , pp.481-481

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医薬品・医療機器等安全性情報 No.418（2025年4月2日） 36巻5号 , 2025年4月 , pp.481-481

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投稿に関するお知らせ 36巻5号 , 2025年4月 , pp.482-483

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次号予告／奥付 36巻5号 , 2025年4月 , pp.484-484

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基本情報

Clinical Engineering
36巻5号
(2025年4月発行)

電子版ISSN：2432-1265 印刷版ISSN：0916-460X Gakken

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