特集 小児の頭痛
各論 片頭痛以外の小児の頭痛
神経発達症・精神疾患と頭痛
大橋 圭
1
OHASHI Kei
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科こころの発達医学寄附講座
pp.205-208
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002254
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はじめに
神経発達症ならびに精神疾患の子どもが頭痛を訴える際には,神経発達症ならびに精神疾患に併存する一次性頭痛と神経発達症ならびに精神疾患に伴う二次性頭痛を考える必要がある。神経発達症に併存する一次性頭痛としては片頭痛との関連が指摘されており,いずれかの神経発達症を有する患者では片頭痛のオッズ比が2.0であることが報告されている(表1)1)。うつ病の患者では片頭痛の併存率が9.9~55%と一般人口と比べて高率であり,片頭痛の患者ではうつ病の併存率が8.6~47.9%と一般人口と比べて高率である2)。また,二次性頭痛は『国際頭痛分類第3版(ICHD-3)』3)では「精神疾患による頭痛」として「12.1 身体化障害による頭痛」と「12.2 精神病性障害による頭痛」がコード化されている。さらに付録には7つの精神疾患による頭痛がコード化されている(表2)3)。神経発達症ならびに精神疾患に伴う二次性頭痛には,① 主に神経発達症により社会不適応を起こし身体症状化した頭痛,② 言語化の未熟さなどにより精神疾患の症状として出現した頭痛,が含まれる。

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