連載
症例をどうみるか 当院で経験した稀な先天性外耳道真珠腫の1例
多賀谷 亮甫
1
,
大木 雅文
,
菊地 茂
1埼玉医科大学総合医療センター 耳鼻咽喉科
キーワード:
外耳道
,
内視鏡法
,
耳外科
,
先天性疾患
,
真珠腫-外耳道
,
頭部CT
Keyword:
Ear Canal
,
Endoscopy
,
Otologic Surgical Procedures
pp.883-886
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2021316505
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11ヵ月男児。誘因なく右耳漏が出現し、近医耳鼻咽喉科を受診した。右外耳道に白色病変を認められ、当科に紹介された。右骨部外耳道下壁皮下に表面平滑な白色腫瘤性病変を認め、CT検査で骨部外耳道下壁に一部骨組織に覆われた腫瘤を認めた。内視鏡下経外耳道的に腫瘤摘出術を施行した。摘出標本の病理組織所見は、顆粒層を含む重層扁平上皮で裏装された嚢状構造を認め、内部に層状の角化物を認めた。重症扁平上皮に異型は認めず、また脂腺や毛嚢、汗腺、骨組織は含まれておらず、真珠腫として矛盾しない像であった。鼓膜には肉眼的に異常を認めず、真珠腫病変が中耳腔に存在せず外耳道に存在することや、真珠腫上皮が外耳道皮下に存在し皮膚の外側に露出していないことなどから先天性外耳道真珠腫と診断した。術後経過は良好で、1年後のCTで真珠腫の完全な摘出が確認された。
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