特集 巨核球造血と血小板産生の新知見
7.血小板寿命とクリアランス
上妻行則
1
Yukinori Kozuma
1
1筑波大学医学医療系 医療科学 助教
pp.845-851
発行日 2017年5月30日
Published Date 2017/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201706071
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血小板は末梢血中に約30万/μL存在する。血小板寿命が平均10日前後であることから,その数を維持するためには1日当たり1011個以上もの血小板が産生されなければならない。以前より血小板寿命はBcl-xLなどのアポトーシス関連タンパクにより制御され,巨核球造血・血小板産生は血中thrombopoietin(TPO)濃度の増減により制御されていると考えられてきた。しかしながら,近年,肝臓に発現するAshwell-Morell受容体(AMR)を介した血小板クリアランス機構や新規TPO発現制御機構が発見され,注目されている。