特集 精神科領域における薬物療法の現状と薬剤師の役割
9.一般社団法人日本精神薬学会設立の趣旨と今後の役割~薬剤師の新たな領域としての精神薬学を求めて~
吉尾隆
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1一般社団法人日本精神薬学会・理事長/東邦大学薬学部医療薬学教育センター臨床薬学研究室・教授
pp.1057-1061
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018041057
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現在,精神科医療の現場において薬剤師の果たす役割は,ますます重要となってきている。従って,今後は精神薬学領域の臨床と研究を基盤とした病院薬剤師,薬局薬剤師および研究者の養成と連携が必要となる。一般社団法人日本精神薬学会は,精神科領域の薬物治療および向精神薬開発の進展を鑑み,臨床現場の薬剤師と基礎研究に従事する薬剤師の協働により,精神科領域における薬剤師の専門性を向上させ,精神科における薬物治療の適正化をはじめとした精神薬学の進歩発展を図り,精神科薬物治療における主体的な治療者としての薬剤師が,精神科薬学領域における研究と実践の向上を目指すことを目的として2016年9月1日に設立された。今後の役割は,薬剤師の視点から精神科薬物治療の適正化を図ることで,より多くの患者が副作用に苦しむことなく,自分らしく生きていくため,自己実現していくため,そして真のリカバリーのために寄与していくことであると考える。