特集 消化器診療と感染対策―COVID-19を中心に
2.感染性消化器疾患診療における感染対策(1)知っておくべき感染性消化器疾患と感染対策
長谷川 諒
1
,
上原 由紀
2
1聖路加国際病院感染症科
2聖路加国際病院臨床検査科
キーワード:
感染性消化器疾患
,
標準予防策
,
接触予防策
,
Clostridioides difficile腸炎
,
薬剤耐性菌
Keyword:
感染性消化器疾患
,
標準予防策
,
接触予防策
,
Clostridioides difficile腸炎
,
薬剤耐性菌
pp.415-423
発行日 2021年3月20日
Published Date 2021/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001732
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感染対策の基本は標準予防策である.汗以外の生体物質は感染性があると考えて対応し,基本となる手指衛生のほか,状況に合わせて個人防護具を用いるところまでが標準予防策である.接触予防策は特定の病原体に対して行われる,標準予防策に追加される予防策であり,個人防護具の積極的使用のほか,患者配置や環境対策を考える必要がある.感染性消化器疾患の原因となる病原体にはClostridioides difficileや食中毒の起因菌,薬剤耐性菌など接触予防策の対象となるものが多く,日常診療で感染対策を意識する場面も多いだろう.薬剤耐性菌はCOVID-19が流行する以前から世界中で問題となっており,その影響は今後も続くと考えられる.COVID-19の時代だからこそ,今一度標準予防策・接触予防策を振り返り,患者と医療者自らを守るようにしたい.
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