血液浄化機器2020
第ⅩⅥ章 消毒液,洗浄液,排液処理 2.熱水消毒
星野 武俊
1
1明理会中央総合病院臨床工学科・臨床工学技士
pp.1196-1200
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001441
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アセテート透析液が用いられていた昭和50年代には,透析装置の消毒に熱水消毒が用いられていたが,昭和60 年代になりバイカーボ透析液が用いられるようになると薬液消毒が主流となった.一方,透析用水作製装置では,15年くらい前から逆浸透(RO)モジュールやRO水配管の消毒に対して,薬液消毒では煩雑なこととRO モジュールへの影響を考慮して熱水消毒が用いられるようになった.また,欧州では,安全性や環境負荷の面から装置の消毒にクエン酸熱水消毒が広く普及していることもあり,消毒剤が到達しないデッドレッグまで熱伝導を利用して消毒できる利点を生かして,透析液供給装置から末端コンソールまで熱水消毒可能な装置も販売されている.本稿では,透析用水作製装置と透析液供給装置に用いられている熱水消毒について述べる.
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