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巻頭言
石川 均
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1『眼科』編集委員会
pp.1029-1029
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001851
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先生方は初めての一人当直で,次はどんな疾患が来るんだろうと足が震えた経験をお持ちではないだろうか。通常の診察時間内と異なり頼りになる上司,経験豊富な視能訓練士,まして同期もおらずたったひとりである。そういう時に限って重症な眼科救急患者が来院,もしくは搬送,依頼される。辛うじて診断がついても次にどうしたらよいかわからないうえ,技術が追いつかない。私自身,初当直,初患者は外眼筋が嵌頓した眼窩吹き抜け骨折であった。他科からの依頼で,当時視束管骨折疑いとして依頼された。それは患者が外傷を受けたほうの眼が見えにくいといったことに始まった。冷静になりRAPDが陰性であることを確認し,眼球運動に明らかな制限があることが判明した。当時はCTですら一般的ではなく,他科の医師からは単純X線の視束管撮影もせずにわかるんですか,と問いただされた経験がある。また先輩の話を聞くと,初当直で出血性結膜炎を入院させたというエピソードを聞いたこともある。
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