消化器がん診療の最前線 適切な診療を行うためのエッセンス よりよい診療を行うために
代替療法,免疫療法,がん放置療法を考える
高野 利実
1
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 臨床腫瘍科
キーワード:
医療関係者の態度
,
腫瘍
,
医療従事者-患者関係
,
代替医療
,
免疫療法
,
EBM
,
理解
,
待機療法
,
価値観
Keyword:
Complementary Therapies
,
Attitude of Health Personnel
,
Immunotherapy
,
Neoplasms
,
Professional-Patient Relations
,
Evidence-Based Medicine
,
Comprehension
,
Watchful Waiting
pp.653-656
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015009011
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多くの患者さんが,「わらにもすがる想い」で,エビデンスの確立していない療法に望みをかけている.その背景には,医療に対する過剰な期待,マスメディアのセンセーショナリズム,何か治療をしていなければいけないという強迫観念がある.医療者は,エビデンスに基づく医療(EBM)の考え方を伝えつつ,どんな状況でも患者さんを支えるという姿勢を示し続けることが重要である.近藤誠氏の「がん放置療法」は,がんのみならず,「がん患者」も放置してしまうことが問題である.これらの問題を超えて,「がんを抱えながらも幸せに生きる」道を探る必要がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2014