呼吸器感染症2010 新たな脅威と必要な新知識
トピックス 呼吸器感染症の感受性遺伝子
慶長 直人
1
1国立成育医療センター研究所 呼吸器疾患研究部
キーワード:
気道感染
,
変異
,
症例対照研究
,
重症急性呼吸器症候群
Keyword:
Mutation
,
Respiratory Tract Infections
,
Case-Control Studies
,
Severe Acute Respiratory Syndrome
pp.876-880
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010021281
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呼吸器感染症の感受性遺伝子研究には、二つの試みがある。一つ目は、候補遺伝子アプローチで、感染症の病態や免疫学の知識を前提として、標的とする遺伝子を選択し、遺伝子多型の機能にまで踏み込んで、集中的に解析を加えるものである。二つ目は、ゲノムワイド関連解析により、予備知識なしに、染色体全領域から統計学的な方法のみを頼りに、主要な疾患関連遺伝子を同定するものである。いずれにせよ最終目的は、その成果が新興、再興呼吸器感染症の分子病態の理解、治療、予防へとつながり、医療資源の乏しい国々も含めた国民の福祉に貢献することである。本稿では、その背景と展望について概説する。
©Nankodo Co., Ltd., 2009