発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012048018
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23歳男。3週間前からの両膝、足関節、手指、手関節、頸背部の疼痛を主訴とした。疼痛を訴える全ての関節に明らかな熱感、腫脹、発赤、可動域制限を認めなかった。移動性の関節痛を訴えた。X線で、特記すべき所見は認めなかった。生化学検査でもCRP、関節リウマチテストで高値を認める以外異常はなかった。各種膠原病抗体も陰性であった。経過中、少量ではあるが肉眼的血尿を2回認めたため、性感染症の可能性を考慮した。その結果、Chlamydia trachomatis抗体IgA、IgGがともに高値であった。問診により、Chlamydia感染症による反応性関節炎と診断した。アジスロマイシン1000mg/日の単回投与と、非ステロイド性抗炎症薬の服用により、症状は急速に軽減し、約2週間で関節痛は消失した。以後、症状の再発はなく、経過良好であった。
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