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・間質性肺炎が疑われる状況で胸部CTを撮影した場合に,呼吸器内科の先生にとって,欲しい情報とは何ですか?
・では,“間質性肺炎である”と放射線科医が判断した場合,いつもAmerican Thoracic Society(ATS)のガイドライン(表)に沿って記載する方が望ましいですか? 放射線科医にとってはクリアカットに分類するのが非常に難しい症例も多く,ついついお茶を濁したレポートを書いてしまうこともあります.逆に迷ったものを無理に振り分けたことで,結果だけが強調され,伝えたいニュアンスがかなり変わってしまうように感じることもあります.
・膠原病性間質性肺炎(collagen vascular disease-related IP;CVD-IP)や,慢性過敏性肺炎(chronic hypersensitivity pneumonia;cHP)は,特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonia;IIP)と常に鑑別が必要な疾患です.実際に特発性であるかどうかを診断するためには,これらについてレポートで触れているかどうかにかかわらず,一通りスクリーニングされるはずなので,これらの疾患を疑うかどうか,という記載は我々放射線科医のレポートの中に必要なものでしょうか?
・では逆に,一見して典型的なUIPパターンの間質性肺炎と考えられる場合には,どこまで記載すべきでしょうか.蜂窩肺の有無,不均一性(temporary heterogeneity),陰性所見(alternative diagnosis)についてなど,本来であれば触れるべきところは多いですし,また日々間質性肺炎の診断に悩まされている我々放射線科医としては,自信をもってUIPパターンと診断できる時には詳細に書きたくなります.
・高齢者によくみられる背側主体の淡く軽微な網状影について,これを間質性肺炎の可能性がある所見ととるべきなのかどうか悩みます.
・経時評価の検査の場合,直近とは大きく変わりがないでしょうが,数回前の検査との比較であれば増悪している,というケースが多いと思います.しかし,緩徐に進行する間質性肺炎においてはある意味当たり前で,そのようなレポートでは意味がないように感じる時があります.経時評価のレポートではどのような点に注意して記載するべきでしょうか?
・combined pulmonary fibrosis and emphysema(CPFE)についてどう取り扱うべきか悩みます.気腫と間質性肺炎が併存している場合に,頻繁に鑑別に挙げられることが正しいのかどうかにも疑問がありますが,ではどういうものが本当のCPFEなのか,どういう意味があるのか,ということも自分では答えられません.先生のお考えを聞かせてください.
・網谷病,上葉優位型肺線維症,その他のパターンの間質性肺炎が併存するpleuroparenchymal fibroelastosis(PPFE),これらについても,いつ鑑別に挙げるべきかわかりません.先生のお考えはいかがでしょうか.
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