学会・研修会印象記
第3回日本フットケア・足病医学会年次学術集会
髙島 千敬
1
1広島都市学園大学
pp.508
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203376
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田中康仁(奈良県立医科大学)学会長のもとで,第3回日本フットケア・足病医学会年次学術集会が開催された.本学会は4年前に日本下肢救済・足病学会と日本フットケア学会が合併して設立された学会である.コロナ禍での延期を経て第3回目の学術集会開催となった.今回の学術集会では,「New Horizon 足の新時代へ」をテーマに各種講演やシンポジウムが開催された.
米国では,医師や歯科医師と同様に,足部の潰瘍や変形,巻き爪等の足の症状を専門的に診る足病医が存在し,臨床で活躍している.一方,わが国では足病に特化した診療科はなく,病態に応じて整形外科や形成外科,循環器内科等,複数の診療科による診療が行われているのが実情である.また,リハビリテーション(以下,リハ)においても,糖尿病足病変等のように内科疾患に併存する下肢への対応は十分確立されているとはいえない状況にある.筆者自身,大阪大学医学部附属病院での臨床時代には,多種多様な疾患に対応してきた.下肢の疾患にかかわることも多かったが,当時は下肢疾患へのマニュアル等も充実しておらず,下肢障害に伴う生活障害を対象者と共有することから手探りで支援していたことを思い出す.
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