連載 急性呼吸不全を考える
NIVとARDSは同時に語れるか(予告編)
落合 亮一
1
1東邦大学医学部 麻酔科学第一講座
pp.460-462
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100105
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肺の外,つまり下肢に重篤な炎症があり,発熱が解決しないことから全身性の炎症へと進展していることがわかります。呼吸器系の異常が始まって2週間。かなりの時間がたっていますが,酸素がメインの所見です。循環系への影響も無視できません。集中治療の出番であることに間違いはないでしょう。
この連載は,こうした急性呼吸不全,なかでも低酸素症が主病変である病態について述べていこうと考えています。
急性呼吸窮迫症候群acute respiratory distress syndrome(ARDS)は,40年ほど前に病態が定義され,実に多くの基礎研究や臨床研究が行われてきましたが,いまだに高い死亡率は改善していません。その意味で,非常にチャレンジングであると言えます。現時点で何がわかり,どのように作戦を立てるべきか,それがどういった意義を持つのか,について整理するタイミングであると考えます。
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