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特集 体液カルシウムのホメオスタシス
カルシウムホメオスタシスへの腎臓の関与
Renal contribution to calcium homeostasis
藤本 守
1
Mamoru Fujimoto
1
1大阪医科大学生理学教室
pp.119-125
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904974
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I.腎におけるカルシウム輸送
体液のカルシウム(以下Caと略記する)に関するホメオスタシスについては,本誌で項を新たにして記載した。本稿では主として腎によるCa2+処理の機構とその特徴を取り上げることにする。
腎臓は,通常,骨,結合組織,消化器などと接触する細胞外液を調節するのにもっとも有力な働きを持っている。元来,腎は排泄器であるが,調節および中間代謝機能を備えていて,尿の排泄を通じて,体内の保有Ca量を調整する働きを持つ他,ビタミンDの活性化,刺激ホルモンとしての副甲状腺ホルモン(以下PTHと記す)の情報伝達,インスリンや抗利尿ホルモンなどの代謝分解とか糖新生などに関連しながらH+,Ca2+,cyclic AMP(またはcyclic GMP)など「細胞内の調節者」の作業所としても役立っている。
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