#総合診療
#書評:行動経済学で学ぶ感染症
矢野 邦夫
1
1浜松医療センター感染症内科
pp.207
発行日 2026年2月15日
Published Date 2026/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510360020207
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本書『行動経済学で学ぶ感染症』は、診断・治療・感染管理といった医療現場での意思決定に、人間の非合理性や認知バイアスがどのように影響するのかを、やさしくひもとく一冊です。著者は公立陶生病院感染制御部部長の武藤義和氏で、2025年10月に医学書院から刊行されています。
本書の根底にあるのは、「人は必ずしも合理的に行動できず、感情によって判断を誤ることがある」という行動経済学の基本的な考え方です。医療の現場でも、職種を問わず非合理的な行動は繰り返されます。その背景を読み解く鍵として、行動経済学の理論が応用されています。特に、同じ額の利益よりも損失を2〜3倍大きく感じる「プロスペクト理論(損失回避)」は、臨床判断に深くかかわると指摘されています。著者は、医療者が行動の背景を理解し、互いの立場を理解しながらより良い医療を届けてほしいと願っています。

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