特集 在宅ALS療養者ケアのコツを知る
ボランティア時代から続くALS患者への私たち流の訪問看護―組織は変わっても,精神と中身は変わらない「きらくな家」の看護
中里 貴江
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1有限会社「きらくな家」・訪問看護ステーションきらくな家
pp.242-249
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100493
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訪問看護に対する期待と私たちの訪問看護
「きらくな家」は,自宅で暮らしたいのに病気や身体が不自由なため,いろいろ大変……という方を,応援したいと心から望む看護師が集まり,訪問看護ステーションを作りました。ボランティアから医療法人の傘下,そして完全独立へと歩んできましたが,その心根は変わっていません。ボランティア時代から難病の方とも関わり,いろいろな問題を抱えながら生活している家族を支えるのは,とても大変なことだと実感しています。
在宅療養を支えるためにできた介護保険の制度ですが,ヘルパーでは“吸引”という医療行為ができないので,家族の代わりにならないのが現状です。一方,訪問看護だけではマンパワーなどの問題があり,支えきれないのも事実でした。昨年の7月に新聞等の報道で,「ヘルパーでも吸引ができるようになった」というような表現を目にした人は少なくないと思われます。未だに誤解している方もいると思いますが,訪問看護師ならば厚生労働省からの通知を正しく理解しなければなりません。
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