焦点 看護における文献研究
解説
文献とは何か
津田 良成
1
,
岡沢 和世
1
1慶応義塾大学文学部
pp.81-86
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200642
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1.文献の役割と傾向
科学における情報の流れの調査で有名な米国ジョンズ=ホプキンス大学の心理学者ガーベイ教授が,その最近の著書「コミュニケーション:科学の本質」1)でも明らかにされているように,研究者の情報活動は,お互い同士の会話,電話による相談,手紙のやりとり,メモや論文原稿の交換,研究会やシンポジュームや学会などでの口頭による情報交換への参加といった限られた仲間のうちだけでの,一連の非公式なコミュニケーション活動と,研究報告書,雑誌論文,図書の出版などの形の,より広い範囲の対象に対して行われる公的なコミュニケーション活動との二つに分けることができる。
"リサーチ=フロント"と呼ばれる研究の最尖端で活躍する科学者達は,自分の専門の研究分野に関係する情報の入手,交換,提供などについては,印刷物を主とした公式コミュニケーションに頼らず,より多く非公式コミュニケーションの諸手段に依存していることは,同著で強調されているばかりでなく,アメリカ心理学会の調査2)やCraneの研究3)などにより明らかにされている。
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