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『妊婦食堂―現代妊婦さんの低栄養を解決する「定食」レシピBOOK』
田中 利枝
1
1三重県立看護大学母性看護学
pp.788
発行日 2012年9月25日
Published Date 2012/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102284
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近年,出産適齢期にある女性のやせが話題となっており,そのような女性たちが妊娠・出産した場合,母体の低栄養状態が,子どもの成長・発育に大きく影響するということがいわれています。妊娠中の胎児の成長・発育は,胎盤を通して,母体から供給される酸素や栄養素に依存しています。よって母体は,胎児の正常な発育のために必要とされる,十分な栄養を供給しなければなりません。
現在,低出生体重児の出生が年々増加しており,その要因としては,女性の社会進出に伴う高齢妊娠の増加,不妊治療等も考えられてはいますが,母体の低栄養状態も大きな要因の1つであると指摘されています。最近では,Barker theory(胎児プログラミング仮説)により,低栄養状態の母体から出生した新生児は,成長して成人になったときに,高血圧,糖尿病,肥満,脂質異常症,心血管障害などの生活習慣病を高率に発症することが明らかになっており,出産適齢期にある女性の栄養については,個人だけの問題にとどまることのない,これからの社会全体にとって重要な課題といえます。
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