今月におくる言葉
やすみ
pp.5
発行日 1955年3月10日
Published Date 1955/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200910
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一定の仕事をもつて仂いている者達にとつて,特にそれが俸給生活者である場合,1年に何回かある休日,祭日,休暇はたのしく,又尊い休養の日,レクリエーシヨンの日になる.日本は大体,祝祭日の多い国で,外国の人が驚くのだそうだけれど,どれもこれも,暮から新年にかけての休日を除けば,皆単日で,外国のように,感謝祭,クリスマス,復活祭,といつたように,2〜3日つづく休日というものはないので,どつちがよいのかわからないが,私は,どこの国でも相当に休日はもつているものと思う.
休日は休日らしく使う.休日の使い方については,私共日本人というと,ごへいがあるかもしれないが,少くとも私自身はあまり上手でない.従つて,休日があつても,ないに等しい実態となつてしまう.病人の見舞,普段不義理をしているところへの挨拶,家の整理,洗濯,といつた種類のことがまず出て来て,族行,ハイキング,読書,映画観賞などのレクリエーシヨンがあとになつてしまう.これでは,休日で,却つて疲れてしまつて,毎日仕事に出てぼんやりしている始末では,何のことやらさつぱりである.特に長期の夏期休暇の場合など,公務員なら年3週間の有給休暇があり,まとめて休む事だつて出来ないことはない.
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