子供たちの痛み 指導相談科からのお便り・1
ひどい話
中村 元子
1
1静岡県立こども病院指導相談科
pp.113
発行日 1985年1月1日
Published Date 1985/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920988
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泌尿器科から回ってきた夜尿症の子供は,2歳8か月の男児.若い両親が付き添っている.面談室に入ろうとすると,見るからに幼いぼう洋とした感じの坊やは尻込みし,泣き声になる.「お話するだけよ」と話しかけ,父親には「廊下でお待ちくださっても結構です」と言ったのだが,親子3人ソファーに座ると,両親の間でおとなしくなった.
家族は6人.酒屋を営む祖父母,父の弟と同居している.朝夕の食事,子供の養育は全面的に祖父母に依存している様子.父はS土木事務所K支所に勤める技師,母は中学教諭の共働きで,2人とも帰宅は遅い.
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