ルポ・アメリカ合衆国のナース その生活と意見・2
ユニホーム
江元 セツ
pp.210-212
発行日 1978年2月1日
Published Date 1978/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918334
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交換ナースとして,バージニア州のバージニア大学病院の脳外科病棟にあいさつに行った時,いったいどの人がナースなのか分からず戸惑ってしまった.日本の病院では,ナースは白いユニホームがほとんどで,ナースキャップを着けているから,一目瞭然にナースということが分かるのであるが,この病棟では,だれひとりナースキャップはかぶっていないし,白いユニホームのナームらしき人もいるし,色もののユニホーム,派手な花柄の上着と白いパンタロンの人もいる.いったいどうなのかしらと思っていると,ピンク色の上着と白いパンタロンの人が来て,‘私がここの主任です’と言う.もちろんキャップもかぶっていない.
アメリカの病院では,病院からのユニホームやくつの貸与、支給制度は私の見た中ではひとつもなかった.だから町には一般の洋服屋さんと同じく,ユニホーム屋が軒を並べているし,アメリカのナースたちは,自分の好みの型のユニホームをユニホーム屋で自分で購入するわけである.ユニホーム屋さんには,決まった型の物ばかりでなく,パンタロンが一般に流行するや,ユニホーム用のパンタロンが作られ,ジャンプスーツ(上下続いた物)が流行するとさほど一般の洋服屋さんから遅れをとらず,ジャンプスーツがユニホーム屋のショーウインドーにも飾られるといった具合である.
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