インタビュー
ナースの意欲をさまたげているもの アメリカの看護婦生活に思う—国立大阪大学附属高等看護学院湯浅知子さん
所沢 綾子
pp.62-63
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911930
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《なくしたい医師とナースの身分関係》
2年間,アメリカの病院で働きながら勉強し,自分で旅費を作って帰って来た湯浅知子さんは,たいへんシンラツな口調で「日本の医者」の批判をする。
「私のまわりにいる,この辺のナース,だれ1人を考えてみても,アメリカのナースに負けはしません。りっぱにつとまります。だから,私はナースがアメリカた行くことより,医師が外国に行って民主的な態度を学んでくることを望みます。日本の医者は,自分の権威を,ナースとの上下関係を保つことによつて守ろうとしているのではないでしょうか。日本の医師は,今までの習慣の中で,ナースを隷属的なものにしか考えていない。あるいは日本の男性中心主義の歴史によるものかもしれませんが,いろいろな希望を持って日本に帰っては来ましたが,どれひとつ取っても,医師の協力なしには行なえないことですので,今は,逆にがっかりした状態におります」
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