読者文芸欄
俳句,他
吉川 春藻
pp.61-63,67
発行日 1956年6月15日
Published Date 1956/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911003
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人の計や彌生冷たき灯をともす
〔評〕三月のことを彌生と言つたりすると,とかく句が古めかしくなるものですが,こゝではこれがかえつて句に深みをあたえています。冷たき灯などある筈はないのですが,これがつまり詩的な表現なので,春寒い夜の人の死という冷嚴な事実によくあつています。原句最後がともし,となつていますが之では軽々しくなつていけません。
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