ナースの作文
ある患者の死から/妹
安田 志満子
1
1秋田市寺内聖園サナトルウム
pp.74-75
発行日 1957年6月15日
Published Date 1957/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910381
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5年間この療養所で斗病生活を送り遂に22歳の若さで彼が逝つたのは2月27日のことである。看護記録には午前2時10分死亡と赤インクで事務的に書きしるされた。
1人の患者の死,看護婦としてその1日の大部分を病む人の恢復の為に働いている者にとつて医療も空しく亡くなつていく人を見るのはとても辛く悲しいことである。そんな時現代の驚く程の科学の進歩も発見も発明もすべて空しいものに思われて限りない淋しさと絶望を覚える。
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