発行日 1952年6月15日
Published Date 1952/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907065
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昭和27年度通常總會は雨上りの新緑薫る4月19日から3日間東京において開かれました。第一日目は神田の共立講堂で皇后陛下御臨席のもとに日本看護協會創立第5周年式典が行われつづいて総會の議事に入りました。全國より參集した協會員は早くも開會30分雨に立錐の餘地なく會場を埋めつくしました。その熱心な姿には総會に對する強い期待が滿ちあふれていました。それは終戰後から今日まで日本の民主化と,女性の地位向上に並行して,看護婦の資質改善に力がそそがれ,その地位も次第に向上しましたが,しかしその發展の途上には今幾多の難問題が山積されているからでありましよう。例えば派出看護婦,準看護婦の問題,業務基準と現行法規等についてであります。
派出看護婦事業は公共職業安定所で取り扱うのが本筋でありますが,其の他に今まで私立の有料職業紹介所(派出看護婦會)でも取り扱つておりましたが,それは去年の總會では,私立の紹介所のみでなく,協會としてもみずからその勞を取つてほしいといら要望がありました。それを今總會で先ず東京都支部が試驗的にやつてみるという決定をみたようです。この問題にしても看護婦の生活と資質の向上という點から,協會は公の立場から更に強くこれを取り上げるべきであると思われます。派出看護婦會の各會長もこのような時代の流れをよく考察して事を處するべきでありましょう。
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