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医師・医療関係者のためのインターネット—改訂第2版
中山 和弘
1
1愛知県立看護大学
pp.838-839
発行日 1996年9月1日
Published Date 1996/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905172
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保健・医療・福祉の情報化,ネットワーク化をすすめる方法とその行方について考えてみよう
話題のインターネットに関する本である.山ほどの本が出版されているので、こういうタイトルだと関係者は思わず飛びつきたくなる.と同時に,「〜のための」にだまされることもあるので注意が必要である.
「インターネットって必要ですか?」「保健医療関係者はなおさらですか?」という質問は意味深い.実際,日本において,看護系の情報はほんの少ししかインターネット上にのっていない.看護系も続々と大学化されてはいるが,医学系の大学にくらべて,ネットワークが整備されているところもまだ少ない.また,日本におけるその利用率は,先進国のなかでも低いうえ,そこに占める女性の割合も,北米での34%にくらべて5%と低い.しかし,これは利用者個人の問題だけでなく,組織の問題でもある.ネットワーク運用における人材不足がある.多くはボランティアでささえられ,組織間の格差が大きい.しかし,なによりもデータベース化さえ進んでいないのである.すなわち,情報化,ネットワーク化の価値がまだ強く認識されていない.
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