連載 助産婦のための疫学入門・7
母子保健の基本的指標—妊産婦死亡率を中心に
三砂 ちづる
1,2
1国際協力事業団(JICA)ブラジル家族計画母子保健プロジェクト
2ロンドン大学衛生熱帯医学校母子疫学ユニット
pp.636-640
発行日 2000年7月25日
Published Date 2000/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902451
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基本的指標
疫学は「地域住民の健康を把握するツール」である,と連載のはじめに書きました。健康を把握するためのツールですから,どのような指標を持って把握するのか,を考えることが必要です。指標はどのように定義され,どのように解釈されているのでしょうか。指標はどのように得られるのでしょうか。正しく使われているでしょうか。
今回の連載では,母子保健に関する指標をとりあげてみます。母子保健の指標にはいろいろありますが,代表的な指標は,乳児死亡率(infant mortality rate:IMR),周産期死亡率(perinatal mortality rate),妊産婦死亡率(maternal mortality ratio:MMR)などです。今回はとくに,妊産婦死亡率についてくわしく考えてみます。
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