特集 もっとコミット.助産婦をめぐる法律と行政
消費者と共に政策決定に参加したニュージーランド助産婦協会
カレン・ギリランド
1
,
尾田 葉子
1ニュージーランド助産婦協会
pp.53-59
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902093
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ニュージーランド助産婦協会の結成
ニュージーランド助産婦協会(NZCOM)は,国内的にも国際的にも特異な専門職団体である。それは構造が特異であるだけではなく,独特な成果をあげてきた団体である。この団体がこの国の女性に特異な地位を与え,この国の助産業と実践を発展させてきたのである。
助産はその本質上女性中心のものであり,助産婦の歴史は常に女性の健康と女性の権利と絡み合ってきた。何よりも助産婦という言葉がそのことを反映している。英語の「midwife」という言葉は「女性と共にいる」の意である。フランス語の助産婦は「sage femme」すなわち「賢い女性」であり,アボリジニの言葉では「女性の仕事」である。多くの文化が,助産婦を表すのに同じような意味の言葉を使ったり,地球や自然に関連した言葉を使っている。したがって助産婦という言葉は,その起源において基本的であり,深い意味をもつ。それだけに,その思想的な基盤と業務の範囲に対して起きるリアクションも強い。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.