特集 母乳育児成功のコンセプト(下)
母子同室を実践する
高田医院.きめ細かなサポートと訪室
高田 恭宏
1
1高田医院
pp.890-893
発行日 1998年10月25日
Published Date 1998/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902033
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はじめに
早期頻回授乳により母乳育児を確立し,よりよい母子関係を達成するために,母子同室は不可欠な条件である。産婦人科有床診療所では新生児室がない施設が多く,また看護スタッフ数に問題もあり,自然発生的に母子同室の施設が多い。
しかし,昨今ますます母乳育児の重要性が浸透しつつあるにもかかわらず,社会一般には母親の疲労を理由に,産院は経営本位のサービスの一環として,生後数日間異室にしている施設もある。現在の出生率低下のなか,有床診療所にとって分娩数の確保は大きな問題で,「赤ちゃんを預かってもらえるから,総合病院がよい」こんな声を妊婦から時に聞く。完全母子同室制は,産科開業医にとって,分娩数の減少につながるのではと懸念してしまう。
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