特集 第22回ICM学術大会
第22回国際助産婦連盟(ICM)学術大会報告—助産婦の大いなるサバイバル計画
松岡 恵
1
1東京都医科歯科大学医学部保健衛生学科看護学
pp.14-21
発行日 1991年1月25日
Published Date 1991/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900235
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はじめに
大会への期待
1990年10月7日から12日まで,第22回国際助産婦連盟学術大会が神戸市で開催された。残念ながら開会式と閉会式には出られなかったが,4日間の全体会・分科会参加で得たことを報告したい。
現在,日本では周産期死亡率が驚異的ともいえるほど低下し,保健学的立場からみれば,母子保健においてなんら問題は認められないように思われるが,医学的に管理された出産に対し,助産婦,クライエント双方が疑問を投げかけ始めている。また,助産婦数の減少,特に地域で活動する若い開業助産婦の減少は深刻な問題とされている。そもそも助産婦という職種を,看護職の中のスペシャリストとして位置づけるのか,それとも看護婦,保健婦,助産婦は並列の関係なのか,いや,他の看護職とはまったく独自の専門職なのか,助産婦自身にも統一した見解はまだないように思われる。日本の助産婦がこのように現在抱えている問題に対し,なんらかの解決の糸口を見いだせるのだろうかと期待し,夜行バスに乗って神戸に駆けつけた。
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