母性保健特集講座 産褥の異常
母乳分泌不全の処置について
藤井 久四郎
1
1東京医科歯科大学産婦人科
pp.22-25
発行日 1964年10月1日
Published Date 1964/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202843
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Ⅰ.母乳栄養の優位性
人工乳の研究が行なわれているためでもあるが,母の社会生活条件の変遷もあって,近頃は母乳をもって子どもを育てようとする母親が減少して来ていると思われる.少し古いが東京都の調査によると,生後6か月までの乳児の栄養法をおよその数字でみるとこのようであって,現在はさらに母乳栄養を行なうものは少なくなっているであろう.
しかし,乳の性質からみても,種族特異性があって,人には母乳がもっとも適していることはいつの世になっても動かない原則である,もちろん人工乳を母乳の性質に近づける努力が行なわれているが,まだ今日の段階でははるかに母乳におよばない.
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