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編集後記
pp.606
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109261
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5月の連休も終わってしまいました.今年は家で昼寝をたっぷりし,近所の公園で新緑浴をたっぷりし,そして井伏鱒二の「多甚古村」を楽しんだ.新任警察官の駐在日記として,昭和16年開戦前夜日本中が戦意昂揚している時期の,村の忙しくもあり退屈でもある些細な日常の出来事の連続を延々と描いている.世界は悲惨であっても,楽しかろうが悲しかろうが日々は連続しており,泥棒がいて,学生を騙す娼婦がいて,狂人がいて,賭博があって……,どっこいみんな生きている.
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