あんてな
第37回日本理学療法士協会全国研修会のご案内
縮井 純一
1
1公立高畠病院
pp.520-523
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106082
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このたびの第37回研修会は,メインテーマを「隣接学際領域との連携」としました.学際領域とは,異なる学問が,ある一つの共通の面で重なる部分を指しています.この共通部分とは人間であろうと考えます.本来,人間の治療を使命とする理学療法士にとって,その活動を多面的に診るという態度は欠くことのできない資質です.このために理学療法では様々な学問からその必要な情報を咀嚼,吸収し「理学療法学」としての学問の幅・層の拡大に努めてきました.しかし,一つの学問の視点のみで分析・統合することなどは困難の極みでありまた不遜なことでもあります.科学は異なる切り口で分析を深めていくことで結果的には様々な学問として分化し発展してきました.私たち理学療法士が技術として持つ,手で触れ,目で観察し,言葉で促すという特質を,同じく人間を対象とする他の学問との有機的な連携の中でいかに反映できるかを考える機会としていきたいと考えています.
特別講演・Ⅰは,駒沢治夫先生(前山形県立保健医療大学助教授)に,「理学療法事始めからの展開」と題して日本の理学療法士草創期からの貴重なお話をいただき,特別講演・Ⅱでは丹治 順先生(東北大学大学院教授)より「大脳生理学から見た人間の随意運動と行動との認知的な制御の関係」についてお話いただきますが,これは私たち理学療法士にとって大変興味深いお話となりそうです.一般公開となります特別講演・Ⅲは,山形にお住まいで免疫機構研究の世界的権威であります石坂公成先生から,長年のアメリカ生活から得られたご体験を通して眺めた現在の日本の状況を,先生ならではの滋味に満ちたご提言を通して浮き彫りにしていただきます.
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