書評
日本近現代医学人名事典別冊【1868-2019】増補
冨岡 洋海
1
1神戸市立医療センター西市民病院呼吸器内科
pp.1287
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208546
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時代を超え,事典の枠を越えて継承される先人の業績集
今夏,泉孝英博士の編による『日本近現代医学人名事典別冊【1868-2019】増補』が出版された.本書は,第26回矢数医史学賞を受賞した『日本近現代医学人名事典【1868-2011】』(医学書院,3762名収載)の増補版として,平成24(2012)年以降,令和に改元されるまでの2019(平成31)年4月末までに物故された564名と,前著に追加すべき369名を加えた933名を収載した膨大な人名事典である.総勢5000名弱の業績がひとつなぎになったこととなる.
書物の性質として,事典の類に「書評」というのも,おかしな話と思われるかもしれないが,本書は単なる人名事典ではない.これには,明治・大正・昭和・平成の約150年間におけるわが国の医学・医療の歴史を残し,より良い未来につなげたいと念ずる編者の思いが詰まっているからである.
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