病気のはなし
心臓の病気
長尾 透
1
1社会保険中央総合病院
pp.16-19
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200186
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
心臓の機能と構造
心臓は胸部のまん中より少し左のほうに寄ったところにあります.大きさは手のにぎりこぶし大で,いわゆるハート形で,そのとがった先,心尖は左乳の下あたりにあります.心臓はひとつのポンプで,へやが4つあります(図1).このへやは自分の側から見て,左側の部屋を左心,右側を右心といい,それぞれ上方にあるのが心房,下方のが心室と名づけられています.また右心と左心の境めには中隔と呼ぶ壁があります.
心臓は全身に血液を循環させるポンプで,酸素と栄養とを供給し終えた血液(これを静脈血といい,どす黒い血液です)は,右心房に帰って来ます.そして,まず右の心室にはいり,心臓が収縮すると,肺動脈を通って肺にはいり,ここで,空気中の酸素をもらって,動脈血というまっかな血液となります.この動脈血は左心房から左心室に流れ込み,ここで心臓の収縮とともに大動脈から勢いよく,全身の血管のすみずみまで血液を送り出します.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.