ワンポイントアドバイス 輸血検査での付加価値報告書の有用性・3
Rho(D)血液型検査でvariantを検出した場合の臨床への報告
三島 由祐子
1
,
曽根 伸治
1
,
池田 敏之
1
,
大河内 直子
1
1東京大学医学部附属病院輸血部
pp.886-888
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104393
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はじめに
Rho(D)血液型は,輸血を実施する際に重要な血液型の一つである.D抗原は,陽性・陰性のみならず,D抗原量が少ないあるいは抗原性が弱いweak DやDel,さらに抗原の一部が欠落しているpartial Dといったvariantが知られている.RHD遺伝子がD抗原の発現を規定しており,多くのRhD陰性症例はRHD遺伝子の全領域が欠落している.しかし,RhD陰性症例のなかには,RHD遺伝子を保有しながらも,塩基配列の置換や欠損によって蛋白が不活性化されていたり,部分的に欠損していたり,また完全な形で遺伝子を保有していてもD抗原を発現しない症例が存在する1).
本稿では,Rho(D)血液型検査の精査が必要であった症例について,臨床側にとって有用な報告書にするためにどのような解説を加えるべきかという観点から当院の例を紹介する.
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