臨床検査のピットフォール
尿沈渣検査のピットフォール―酸性尿で認められた尿酸アンモニウム結晶
油野 友二
1
1金沢赤十字病院検査部
pp.1391-1394
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103775
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小児科から依頼のあったある尿検査
患者:2歳8か月,女児.
主訴:嘔吐,水様下痢.
既往歴:特記事項なし.
現病歴:症例は3~4日続く嘔吐,水様下痢のため当院を受診した.便中ロタウイルス抗原陽性でロタウイルス胃腸炎による急性脱水症と診断され,入院となる.
入院時検査所見(表1):血液検査所見ではWBC 11,700/μl,CRP 1.00mg/dl,高尿酸血症(14.1mg/dl)を認めた.尿所見は淡黄色調の強い混濁尿を呈し,尿ケトン体は強陽性,白血球反応・亜硝酸塩反応陰性であった.尿沈渣所見では血球類,上皮細胞類および円柱類の増加はなく,球状,淡黄色の結晶を多数認めた.一部はいわゆる「サンザシ(山査子)の実」様の周囲に棘を有するものもあった(図1).
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