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編集後記
矢冨 裕
pp.1262
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102648
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「検査と技術」編集委員会では,毎年,多くの読者のお役に立てるような増刊号を目指し,そのテーマの選定に知恵を絞っておりますが,今年は「顕微鏡検査のコツ――臨床に役立つ形態学」とさせていただきました.顕微鏡という一つの装置に焦点を当て,その使い方を含めた基礎面と,診断を含めた臨床面を,各検査領域を超えて横断的に網羅する増刊号となっています.類書の少ない新しい切り口と考えております.
言うまでもなく,顕微鏡は,光学的もしくは電子的な技術を用いることにより微小な物体を肉眼で見る装置ですが,本増刊号では,主に光学顕微鏡を扱っています.医療,さらには臨床検査を支える装置・機器の進歩は改めて申し上げるまでもありませんが,光学顕微鏡は,その基本的原理に関しては,16~17世紀にかけて,オランダで発明されたものです.また,おそらく,かなりの読者は,小中学生の時には既にこれを扱ったことがあると思います.このような,ありふれた装置と言ってよい顕微鏡ですが,できあがった本増刊号の内容に目を通し,この昔からある簡単な装置がどれほど貴重な情報を提供してくれるかということを再確認いたしました.
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