総説
新しい電気化学分析の臨床化学への応用—膜電極の進歩について
牧野 鉄男
1
,
吉田 光孝
2
1神奈川県立衛生短大衛生技術科臨床化学
2東邦大理学部生理化学
pp.145-152
発行日 1975年2月15日
Published Date 1975/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908868
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
従来の臨床化学分析は,光電比色計の普及により,主として比色分析が基盤をなしている.呈色反応を利用する比色分析は応用範囲が広く,かつ容易に実施できる利点を有しているが,一方,検体の溶血,乳び,黄疸などの影響を受けやすく,また特に生体試料中に共存する成分や混入する薬物などによる非特異的な反応も同時に起こりやすいなど,測定しようとする目的成分によっては正確な測定が困難であることも少なくない.
一方,電気化学的な反応を用いる電気化学分析は,反応によって生じた電位差や電流変化量など,絶対的な物理量を比較して直接測定するため,より正確で,しかも迅速な測定ができる大きな長所を持っている.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.