論壇
微生物検査について
工藤 肇
1
1弘前大・中検部
pp.764-765
発行日 1973年7月15日
Published Date 1973/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908147
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臨床検査はここ10年来急速に進歩しました.昔は検尿などの一般検査,簡単な血液検査,血糖検査などは医師自からの手で行なっていましたが,今日では臨床検査は中央化され,臨床検査技師の手にまかされるようになりました.検査件数や検査項目も急激に増え,また検査の内容もしだいに高度なものになりつつあり,臨床検査技師の責任も今後ますます重くなってくるものと思います.検査件数の急増に対応して,検査の超微量化,簡易化,精度管理,自動化,コンピューター化も進められてきました.自動化の波は,生化学検査を筆頭に,血液検査,血清検査,一般検査,はては末梢血液白血球分類や細胞診検査にまで及び,さらに心電図などの生理検査の自動診断装置も開発されている現状です.一方,微生物検査については,一部感受性試験用の自動分析装置などがありますが,日常の細菌検査業務での自動化はこれからというところで,今後の大きな課題の1つと思います.
微生物検査は,病理検査もそうですが,他の検査部門とは少しく異なった発展のしかたをしてきたようです.生化学検査,血液検査などは古くから基礎より臨床に移った部門ですが,微生物検査や病理検査は以前はそれぞれの基礎医学教室へ病院より検体を持参して検査を依頼する形をとっていた所が多い.中央検査部設立後はこれらの部門も病院内に移ってきました.中央化により検査技術は進歩し,術式も標準化,統一化される傾向になり,また検査の能率も向上いたしました.しかし,一面中央化により,直接的,間接的にいろいろの問題がでてきております.
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