新しいキットの紹介
リウマチ様関節炎の血清学的診断試薬‘ロイマトン’の評価
只野 寿太郎
1
,
真田 宜明
2
1順大臨床病理
2順大臨床病理整形外科
pp.326-328
発行日 1973年3月15日
Published Date 1973/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908024
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リウマチ様関節炎(以下RA)の臨床的診断は必ずしも容易でなく,補助診断法として種々の血清学的検査が行なわれている.これらの検査はRA患者血清中に出現するリウマチ様因子を検出するものであるが,この因子は単一な物質でなく,検査の特異性も方法によって多少の差はあるが70-80%1)にとどまっている.現在,臨床検査室で広く行なわれている方法には,ヒト-γ-グロブリンを用いる方法であるLatex Fixation Test(LFT)やBentonite Fixation Testとウサギ-γ-グロブリンを用いたWaaler-Rose反応2)やHellerの変法3)がある.
LFTはSingerら4)によって開発されたもので試薬保存の容易さ,検査の簡易性,迅速性の点から広く用いられている.一方,Waaler-Rose反応はLFTより特異性が高いことは認められているが,ヒツジの新鮮血球が必要なことと手技が複雑なことからスクリーニングの目的では使いきれない.しかし最近,Milgromら5)はヒッジ赤血球をホルマリンで処理し,これにウサギ-γ-グロブリンを感作した試薬を開発しWaaler-Rose反応の簡易型として発表した.この試薬はロイマトンという名称でWampolle社から市販されている.われわれは杏林製薬からこの試薬の提供を受けWaaler-Rose反応,RAテストと比較検討したので報告する.
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